デビュー作の「荷札酒(にふだざけ)」は、ラベルに酒米や精米歩合、酒造年度、タンク番号まで区分記載し、造り手の設計意図を伝える。アルコール13度原酒の酒は「黄水仙」と名付け、味を日本の伝統色で表し、飲み手に興味を湧かせた。プレミアムクラスの「BRILLIANCE(ブリリアンス)」では、希少な酒米をより磨き、エイジングを加えて品位を追求。美しく重層感のある味は、食のペアリングを求める飲食店主からも絶賛される。探究心の塊、悠一さんが目指すのは「好みの壁を越えられる酒」だ。

新日本酒紀行「加茂錦」荷札酒 黄水仙 純米大吟醸
●加茂錦酒造・新潟県加茂市仲町3-3●代表銘柄:荷札酒 生詰原酒 純米大吟醸、荷札酒 月白 純米大吟醸、BRILLIANCE 播州愛山●杜氏:田中悠一●主要な米の品種:山田錦、雄町、五百万石
新日本酒紀行「加茂錦」米は二重蒸気槽で蒸す Photo by Junichi Takahashi
新日本酒紀行「加茂錦」種麹をふる田中悠一さん Photo by Junichi Takahashi
新日本酒紀行「加茂錦」麹造り Photo by Junichi Takahashi