名鉄・近鉄エリアは暗礁に乗り上げ
百貨店は一転して閉店撤回

 JR東海によるリニア新駅に近いエリアで再開発が進む一方、もうひとつの「メイエキ」ともいえる名古屋鉄道の名鉄名古屋駅、近畿日本鉄道の近鉄名古屋駅エリアの整備は、現在のところ暗礁に乗り上げている。

 このエリアの主な集客施設は、「近鉄パッセ」(地階に近鉄名古屋駅)、「名鉄百貨店」(地階に名鉄名古屋駅)、「名鉄バスセンター」「ヤマダ電機LABI名古屋」(旧・名鉄ヤング館)、そして太閤通りを挟んだ反対側には「名鉄レジャック」「日本生命笹島ビル」がある。57年に開業した名鉄百貨店をはじめ、いずれも竣工から50~70年が経過している。

 2017年に名鉄から公表された「名鉄名古屋駅地区再開発」では、南北に延びるこのエリアに、地上30階建て・高さ160~180m(道路を跨ぎ南北400m)にもなる超巨大ビルのイメージ図が記載されていた。

17年に名古屋鉄道が発表した再開発計画のイメージ図17年に名古屋鉄道が発表した再開発計画の概要地図 拡大画像表示
発表当時は「壁ビル」「板ビル」とも呼ばれたビルのイメージ画像名鉄が発表した当初は「壁ビル」「板ビル」とも呼ばれた超巨大ビルのイメージ画像

 名鉄の業績は20年3月期まで好調だったものの(同期は289億円の純利益)、コロナ禍が襲い、21年3月期は288億円の最終赤字に転落。22年度に予定されていたビルの着工を延期し、再開発計画は「24年をめどに事業の方向性を再検討中」としている。なお、閉店を発表していた名鉄百貨店は、一転して営業継続となった。前述した名鉄レジャックは、3月に閉鎖後の活用は未定だという。