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実現すべきは「企業の働き方を変える」こと
――山下さんは、ビジネスを通じて顧客にどのような価値を提供していきたいですか。
山下 私が提供したいのは、「非効率」から解放されて生まれる「本質的な業務に集中できる時間」「個人が自分らしく過ごせる時間」です。紙文化、属人化、ヌケや漏れ、後戻り……業務の無駄をITで解消し、ロスしていた時間を、職場の問題解決や働く人がその人らしく過ごせる時間に変えられる仕組みづくりを支援したい。究極的には、顧客企業の働き方を変えるための提案をしていきたいのです。
――働き方を変えるには、人事制度や給与体系などの仕組みも変えなければなりません。
山下 もちろん、ITの力だけで働き方を変えられるとは思いません。しかし、IT化は比較的短い時間で効果を実感してもらえる業務改善策です。あらゆる「非効率」は、本来必要なことに使える時間を奪う“痛み”だと思うんです。だからこそ、企業で働く方にもその気持ちを共有してもらい、IT導入をきっかけに、マネジメントに関しても自らカイゼン意識を持って成功体験を重ねてもらいたいと考えています。
藤本 我究図(2ページ)の「Giving」(社会に与えたい影響)は、「『仕組化』によって自由な時間をつくる」ですが、これは、山下さんが事業を通じて世の中に貢献したいことと一致していますね。
山下 「仕組化」は、「自動化」に近い意味で使っています。例えば、一つの発注に関して、数字を一つ入力すれば全てに対応できるシステムを組めれば、伝票や在庫管理表に何度も数字を書き直して上司に回して……という時間をかける必要がなくなります。