道をたどれば、歴史と文化が見えてくる。地理・地図研究家の浅井建爾氏の文庫新刊『日本の道・道路がわかる雑学』からの一部抜粋で、知っているようで知らない、日本各地の道にまつわる意外な事実、トリビアを紹介する。最終回となる今回のテーマは、日本一長い商店街、日本一広い地下商店街はどこか?
日本一長い商店街は
どのくらい長いのか?
町の魅力は、充実した商店街にかかっているといってもいい。商店街とは、ある特定の地区に多くの商店が集まっている街路をいう。
かつては、どの商店街も町一番の賑わいがあったが、モータリゼーションの影響や大型商業施設の郊外出店などから、商店街で買い物をする人がめっきり減った。すっかり寂れた商店街も少なくないが、店主たちのアイディアと工夫で、活性化に成功した商店街もある。
商店街の歴史は古い。京都の錦小路のように、平安時代からすでに存在していた商店街もある。城下町にも商店街が形成されていたし、伊勢神宮の参道や浅草寺の仲見世などのように、門前町から発展した商店街もあった。
金沢市では、1894(明治27)年に日本で最初の商業組合となる片町組合が結成され、店舗同士の協力体制がつくられた。そのため、香林坊交差点から犀川大橋にかけての片町商店街は、日本で最初の商店街と呼ばれる。
現代でも、全国には数え切れないほどの商店街がある。その規模はさまざまだが、日本一長い商店街はどれくらいの長さがあるものだろうか。