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【精神科医が教える】ひとつ屋根の下、毒親から離れられない呪縛から解放される術Photo: Adobe Stock

やっかいな身内にどう対処するか?

やっかいな人、面倒な人とは、できるだけ距離を置いて、なるべく接点をもたないようにすることをよくオススメしていますが、そうすると「親兄弟だとそうもいかない」という話が、必ずといいほど浮上します。

たしかに、ひとつ屋根の下で一緒に暮らす身内だと、他人に比べて物理的な距離は置きづらいかもしれません。しかし、身内と縁を切るというわけではないにせよ、つき合い方に距離を置くことは十分にできるのです。

特別視しないことがポイント

具体的には、身内だからといって、特別扱いしないことが前提になります。シンプルに、人としてつき合いたいか、つき合いたくないか。身内ではないとしたら、つき合うかどうか、どう対処するか。そんなふうに赤の他人と同じように、身内だからといって特別視しないことです。

たとえば、口うるさく過剰に干渉してきたり、ノックもせず部屋にズケズケと出入りしたりするような親で、ホトホト嫌気がさしているとしたら、部屋にカギをかけて勝手に出入りできないようにするとか、防御策を徹底してもいいんです。

自分の心の制約を解き放つ

心理的な抵抗感はあるかもしれませんが、場合によっては「なにをいわれてもいいや」くらいに勇気をもって割り切ることも必要です。子どもは親のいうことを聞くのが当たり前だという漠然とした固定観念のもと、いろんな行動や感情に束縛を受け、なかなか子どものほうが割り切ることができないんですね。

親を無下にあしらうようなことは、一般的によしとされない行為ですから、なかなか割り切った対応がしにくいかもしれません。しかし、身内だから特別視するのではなく、ふつうの知り合いだったらどう思うか、どう対応するかという考え方をしてみてください。

心の準備だけでもストレスは減る

ひとつ屋根の人に住んでいるのであれば、シェアハウスの住人として考えてください。身内であろうと、嫌な人は嫌な人なんです。こんな人がシェアハウスにいたら、挨拶だけはするけれど、あまり同じ空間にいないようにするため、できるだけ自分の部屋で過ごすようにしたりするでしょう。

場合によっては、シェアハウスを出ていくように、実家から出ていく選択肢もあり得ます。すぐに対処できないこともあるかもしれませんが、心の準備をしておくだけでも、ストレスは多少減らせるはずです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。