右手1本で100切りを達成した秘訣

 じつは留学中の22歳のとき、僕の左腕は、幼少時のケガが原因でワンラウンドすると握力がなくなって、クラブが持てなくなるという状態になっていました。

 ゴルフができなくなる可能性もある中、手術をするかどうかはかなり悩みました。手術は無事に成功しましたが、リハビリ期間は半年間もありました。それは、プロを目指すには長すぎるブランク。絶望感と焦燥感に襲われる中で、ある時僕は「右手1本でもゴルフができるようになってやる」と決め、右腕だけで練習を再開したのです。

 そのころの僕は、みなさんより飛ばない、曲がる、ミスをするという下手クソだったことでしょう。それでも僕は右手1本で100を切りました。その経験と、そのときの方策がみなさんの100切りに大いに役立つのです。

 どうですか?だいぶ100切りのハードルが下がってきたでしょう。

 そう、じつは皆さんが思っているよりも100というスコアは、少しくらい飛ばなくたって、曲がったって、ミスをしたって切ることができるんです。

 ただし、ショットの安定しない人が練習をしないで100を切ろうと思ったら、正攻法では上手くいくはずがありません。少し頭を使って、少し我慢をして、ゲリラ戦法も使ってスコアをまとめていく必要があります。

 繰り返しますが、これは100を切れずに悩んでいる人が、カッコ悪くても、みっともなくても、あらゆる手段を使って100を切るための考え方です。

 前置きが長くなりましたが、早速みなさんに覚えておいてもらいたいことが7つあります。これは、コースをラウンドして100というスコアを切る経験をするために必要な、大前提のようなものだと考えてください。

心得1 「見栄」はどこかに捨ててしまう

 飛ばなくても、曲がっても100を切る。そのためにまず心がけてほしいのは、カッコをつけないということです。自分では気づいていないかもしれませんが、100を切れない人の多くは、「カッコつけたい」という意識からスコアを崩しています。だから、その意識を改革してほしいのです。

 たとえば、フェアウェイが狭くOBが怖いホールでも、イチかバチかでドライバーを抜いてOBを打ってしまう。そこでアイアンを持てば、OBは避けられるのに……。

 飛ばなくても、曲げても、練習しなくても100を切るためには、正攻法は通用しません。カッコを気にせず、スコアをつくりにいく。そういう姿勢がいちばん大切なのです。