この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。これまでスマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介してきた。今回は著者・衣田順一氏に「仕事でウザいと思われる人の特徴」を聞いた。

職場 陰口Photo: Adobe Stock

「ウザい」と感じられる2つのポイント

 話にしても文章にしても、「ウザい」と感じられるポイントは2つあります。

 それは、「自分目線」と「長さ」です。

 1つ目は「自分目線」です。

 自分が話したいことばかり話す人の話を聞いたり、書き手が自分の書きたいことを書きなぐっている文章を読むと、「ウザいなあ」と思いますよね。

 コピーライティングでは、自分目線の文章を「Meメッセージ」、相手目線の文章を「Youメッセージ」と呼びます。

 では、相手目線になるにはどうすればいいのか?

 そのためには、

 「この話はその人のどんな役に立つのか?

 を考えることです。

 聞き手や読み手が興味深い情報を提供していれば、決して「ウザい」とは感じません

 SNSでは、自己開示が効果的といわれますが、それも注意が必要です。自己開示は読み手の役に立たないことが多いからです。

 自分のプライベートを話して、興味を持たれるのは有名人だけ。

 一般人の場合、スパイス程度に出てくる分には問題ありませんが、そんな話題ばかりだと「ウザい」と思われます。

なぜ「ギャップ」が重要なのか?

 つけ加えると、自己開示で最も効果があるのは「ギャップ」です。

 コピーライティングでも「ギャップ」は重要です。

 認識のギャップは意外性につながり、興味関心が強くなります。

 普段はすごく硬派なイメージなのに、実はエプロン姿でお菓子づくりが趣味という場合、自己開示が意外性につながれば、親近感が湧くので効果的です。

 しかし、頭ではわかっていても、実際にはこのさじ加減を誤り、自分の話ばかりしている人が多い。すると、「ウザい」と思われます。

 自分はプライベートな話はしないから大丈夫と思っている人ほど危ない。

 「Meメッセージ」は、必ずしもプライベートな話とは違います。

 自分の得ばかり考えたセールスは「押し売り」でしかなく、「ウザい」意外のなにものでもありません。

 相手の得になること、役立つことをコピーライティングでは「ベネフィット」と呼び、重要視されます。

 しかし、自分にとって役に立つ情報でも、文章や話があまりにも長いと「ウザい」と感じられてしまいます。

 役立たない話が長々と続くのは「ウザい」を通り越して苦痛でしかありません。

 逆に、それほど役立たない話でも、簡潔なら許容できます。

 ですから、まずチェックすべきは、話や文章の長さ。

 人の心に刺さり、記憶に粘りつくのは端的な表現です。

 こんな言葉があります。

 「もっと時間があれば、もっと短い手紙を書けたのですが」

 これは、パスカルが言ったとか、アナトール・フランスが言ったとか、出所が定かでないのですが、言い得て妙です。

 一般的には時間をかけて長い文章を書くと思われますが、逆です。

 時間をかけて不要な文章を削り、削ぎ落としてシンプルにする必要があります。

 シンプルにできれば、わかりやすくなり、もっと聞きたい、もっと読みたいと思うものです。

コピーライティングの原則

 しかし、多くの人は「逆」をやり、どんどん盛ってしまう。

 結果、余計わかりにくくなるのです。

 コピーライティングでは、

 「言いたいことは1つに絞れ

 という原則があります。

 あれもこれも盛り込むと、何が言いたいのかわからなくなり、「ウザい」につながります。

 勘違いのないようつけ加えると、文章や話の長さは絶対的なものではなく、相対的なもの。

 削ぎ落とせば150字で伝えられるのに、300字だと冗長です。

 逆に、最低でも500字ないと伝えられないものを無理に150字にしろというのではありません。

 これは短いコピーと長いコピーのどちらがいいか論争につながりますが、答えははっきりしています。

 「必要な情報を十分に伝えられる長さで、最も短いもの」です。

 あなたの話や文章は長くなっていませんか?

 ぜひ連休期間中に振り返ってみてください。

 必要最低限の言葉で人を動かすのがコピーライティングの技術。

 その技術を集大成したのが『コピーライティング技術大全』なのです。