この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。これまでスマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介してきた。今回は著者・衣田順一氏に「お客がお客を連れてくる人の共通点」について一問一答方式で聞いた

顧客Photo: Adobe Stock

お客を紹介してもらう2つの効果

Q:コピーライティング技術大全』の中に、「既存客」と「新規客」の記述があります。
私の好きな『口コミ伝染病』のサブタイトルは、お客がお客を連れてくる実践プログラム

 お客がお客を連れてくる人の共通点があれば教えてください。

衣田:まず、お客さんがお客さんを紹介してくれるには、大きく2つの効果があります。

1)顧客獲得コスト*がかからない

 *顧客1人あたりを獲得するためにかかる費用。主に広告宣伝費でCPA (Cost Per Acquisition)という。

2)信用があるので成約率が高い

 簡単にいうと、成約率の高い見込客をタダで獲得できるということです。

 お客さんが、自ら「この商品・サービスはいいよ」と友人、知人に宣伝してくれるので、広告宣伝費をかけることなく、新たなお客さんを獲得できます。

 加えて、そのお客さんが「いいよ」と太鼓判を押してくれているので、品質が保証されているわけです。

 自分で自分のことを「すごいです」と言ってもなかなか信じてもらえませんが、第三者がほめてくれれれば、信頼性は高まります。

 ですから、勧められてあなたのところにやってきた時点で、成約する見込はかなり高いわけです。

 問題は、お客さんを連れてくるお客さんをどうやって探すかです。

 ただ、残念ながら、見つかる確率は相当低いでしょう。

優良顧客は見つけるのではなく、育てるもの

 そんなお客さんは見つけるものではなく、育てるものと考えましょう。

 自社のファンの度合を表すのが「顧客ロイヤリティ」。

 ロイヤリティとは「忠誠心」のことで、自社の商品・サービスを愛してくれる度合いのことです。

 顧客ロイヤリティは、元々あるものではなく、一定の時間をかけ、醸成されていくものです。

 ですから、まず既存客の満足度を高めることが重要です。

 満足度が高まれば高まるほど、ロイヤリティも高まり、やがて紹介してくれる顧客になります。これを図で表すと、次のようになります。

浮遊顧客を超優良顧客に変える法

 最初は、あなたの会社からだけではなく他社からも買う「浮遊顧客」。

 次に、継続的にあなたの会社の商品やサービスを購入する「固定顧客」になり、固定顧客からさらに高額商品を頻繁に買ってくれる「優良顧客」に成長。

 そして優良顧客からあなたの会社や商品を他の人に積極的に勧めてくれる熱烈なファンが出てきて「超優良顧客」となるのです。

 多くの場合、新規集客ばかりに夢中で、既存顧客の育成はおろそかになりがち。

 表現は適切ではありませんが「釣った魚に餌をやらない」のはよくありません。

 既存顧客の育成をしていかないと、結局は「自転車操業」のように年中新規顧客の獲得に追われることになります。

 これを避けるには、既存顧客の満足度を高める必要があります。

 具体的には、商品・サービスの品質向上、アフターサービスの充実、定期的なフォローアップやリピート購入を促すカスタマージャーニーの構築、さらには、新しい商品・サービスの開発など、顧客が喜び、飽きられない取り組みです。

 また、既存顧客の声を大切にし、フィードバックを活用して改善に努めることも、顧客ロイヤリティ向上につながります。

 こうした努力によって、顧客ロイヤリティは高まり、紹介してくれるお客さんを増やすことができれば、新規顧客の獲得コストを抑えながら、成約率の高い見込客を獲得できるようになります。

 顧客育成の考え方を含め、売れるための原理原則をわかりやすく網羅したのが『コピーライティング技術大全』なのです。