社会に出たばかりの若者などが、賃貸住宅や実家に住んだまま、自宅を購入する前に不動産投資をしてしまうケースがある。先輩・友人からのアドバイスなどをうのみにした結果の行動なのだろうが、不動産投資はそんなに甘くない。だが、たとえ初心者であっても、他の手法よりも「格段に損をしにくい」投資方法が一つだけ存在する。その方法とは――。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)
自宅購入前に
安易に不動産投資を始めると…
不動産価格が上がったために、不動産投資を検討する人が後を絶たない。しかし、不動産投資はキャピタルゲインが発生しない限り「もうかりにくい」仕組みになっている。
キャピタルゲインとは、保有している資産を売却した際に得られる利益を指す。不動産が買った価格より値上がりしない限り、投資家がこれを得ることはできない。
たまたま金融緩和が10年続き、キャピタルゲインが当たり前のように発生してきたが、通常の不動産価格は築年経過とともに下がるものだ。
不動産投資は多額の借り入れを伴うので、失敗したら債務超過になり、人生を狂わせてしまうことになりかねない。そうしたリスクを軽減し、誰でもが不動産投資で成功しやすい方法が実はある。
それを紹介する前に、まずは不動産投資で失敗した人の末路を紹介しておこう。
よくあるパターンは、マイホームを買えなくなることだ。個人の借り入れは信用情報機関によって一元管理されており、金融機関は融資審査の際に必ずその人の負債状況を確認する。
不動産投資で失敗して債務超過に陥っている人や、毎月の返済に困っている人に、金融機関が新たな融資をするわけがない。そうした人は、自宅の購入を検討する前に債務を整理すべきだ。
結婚や就職などで身辺調査が行われることもある。この際も同様に、負債がかさんでいることを隠し通すのは不可能だ。これが原因で、破局・破談に至るパターンも散見される。
何も知らずに多重債務者と結婚した人は、連帯債務者同然になってしまう。資金繰りが苦しい社員を雇ってしまうと、私生活の問題によって業務に支障が出る可能性がある。
これらを未然に防ぐ上で、身辺調査は非常に有効なのである。
雑居ビル、商業ビル、アパート、マンション。一棟投資に区分投資。さまざまな投資対象や方式があるが、そもそも不動産投資はもうかりにくいようにできている。