日本で健康によいと言われる発酵食品も実は…

◆タマス(暗く鈍い性質)

 タマスな性質の食べものは、古いもの、重いもの、腐ったもの、悪臭がするもの、多すぎるものです。スーパーやコンビニエンスストアで売られている加工食品のほとんどは、いくら賞味期限が長くても、古い食べものです。また、日本では健康によいと考えられている食品の中には、ヨガやアーユルヴェーダでは推奨されないものもあります。発酵食品やキノコがその例です。

 肉や魚は、ラジャスであると同時に、タマスにも分類されます。すべての生命の源である太陽の光から植物が育ち、植物を食べて草食動物が育ち、草食動物を食べて肉食や雑食の動物が育ちます。肉や魚を食べるということは、食物連鎖を経て加工され、古くなったタマスのエネルギーや栄養素が、私たちの一部になるということです。肉や魚は消化にも時間がかかりますから、体力を消耗して、ますますタマスに傾くことになります。

「苦味」と「渋味」は、少量であればよいのですが、タマスな性質を持ち、大量に食べると落ち着きがなくなります。また、もともとサットヴァな食品でも、食べすぎるとタマスに変わってしまいます。

 タマスな食事を続けていると、身体が太って疲れやすくなるだけでなく、動作は鈍くなり、頭も冴えなくなります

 タマスな心は、暗く、無知にとらわれています。感性が鈍かったり、活力がなく、妄想を抱くのは、タマスの性質が優勢になっているしるしです。また、やるべきことが分からず、先延ばしにしたり、間違った方法で行います。

 何を食べるかに加えて、いつ、どのように食べるかについても、いくつかのポイントがあります。空腹でなくても「昼食の時間だから」食べる、あるいは「時間がないから」食べないということを繰り返していると、だんだん身体からの信号に気づかなくなり、体調を崩す原因になりますから、要注意です。

・お腹が空いているときに食べること
・前に食べたものが完全に消化されてから食べること
・集中して、丁寧に食べること
・心が乱れているときに食べないこと

 このような食べ方をすることで、少量でも満足感が得られ、消化吸収に必要な酵素が十分に分泌されますので、胃腸に負担がかかることがありません。

 いかがでしたか。

 味を楽しむために食べると同時に、心と身体を養うために食べるのです。そうすれば、手放すことが難なくできる心身の状態になるだけでなく、我慢しなくても、余分なものを食べたいと思わなくなり、自然に理想の体型にも近づいていくのですから、まさに一石二鳥です。


<新刊書籍のご案内>

心がスーッと軽くなる本
いやな気持ちを手放す8つのステップ

怒り、悲しみ、不安から
自由になれる
心と身体の整え方

私たちがとらわれている、過去の体験による怒りや悲しみ、快楽への欲望や執着、未来に対する不安や恐れ、自分や他者に対する期待など、いやな気持ちの一切を手放しませんか。その思考法は、誰もが習得できる“技術”です。インド中央政府公認ヨガ教師のカナンが、ヨガ本来の“心を鎮める”哲学をベースにまとめた1冊です。

ご購入はこちらから!
【Amazon】 【紀伊国屋書店】 【楽天Books】