口の中の状態と体は、実は密接に関係しています。思うようにやせられなかった理由はきちんと歯を磨けていなかったからかもしれません。歯周病が進むとインスリンの働きが妨げられ、肝臓に中性脂肪がたまって太りやすい体質になることもあります。やせるために新しい歯磨きの習慣を身につけて口の中の環境を整えていきましょう。その方法を肝臓専門医の栗原クリニック 東京・日本橋院長の栗原毅氏の『1週間で勝手に痩せていく体になるすごい方法』(日本文芸社刊)より紹介します。
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食事や運動より大事!
口の中がきれいでないとやせられない!?
食べ物は、消化管を通って消化・吸収、排泄されます。その第一段階が、体への入り口でもある口。それゆえ、外からの異物に侵食されやすい部位といえます。だからこそ、口の中を清潔に保つことが健康にも繋がります。
口の中には数百種、数千億の細菌が生息し、腸内と同様に善玉菌と悪玉菌が存在します。最近の研究では、口内の悪玉菌が食べ物や唾液と一緒に腸まで運ばれ、腸内環境にまで影響を及ぼしていることがわかってきました。悪玉菌の影響で腸内細菌のバランスが崩れると、便秘がちになり、体の代謝機能が低下。代謝が悪くなると脂肪も燃焼されず、やせにくい体になってしまうのです。
また、歯周病は脂肪肝や糖尿病と深い繋がりがあります。脂肪肝と糖尿病は負のスパイラル関係にあり、それに歯周病が加わるケースも。歯周病によって炎症が起きると、「炎症性サイトカイン」という物質が生まれます。この物質がインスリンの働きを阻害し、血液に糖があふれて血糖値を上昇させるのです。血糖値が上がれば脂肪肝も悪化し、糖尿病になれば歯茎の毛細血管がもろくなって歯周病もひどくなる……まさに負のスパイラル状態に。