部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年#9Photo:Michael Blann/gettyimages

会社員の最高峰ともいえる年収を誇る外資系証券は、リストラと常に隣り合わせの厳しい労働環境でも知られる。日系企業との待遇格差はどのくらいなのか。特集『部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年』の#9では、競争を勝ち抜いて得られる年収の実数を、国内証券最大手のリテール営業員のそれと比較する。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

「週刊ダイヤモンド」2023年4月1日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

過酷な労働環境は日系、外資とも同じ
年収は一体どれほど異なるのか?

「日系の証券会社とやることは同じ。待遇を考えれば、本当に外資に移ってよかった」──。東京都心の高層ビルに入居する外資系証券会社で働く男性は、そう話す。

 年功序列の横並び人事が当たり前な日本の金融業界とは隔絶した世界が、外資系証券だ。2008年のリーマンショックで大規模なリストラを経たものの高待遇は健在。実力さえあれば、新卒でも入社10年で「年収1億円」も夢ではない。もちろん成果を上げなければ事実上クビとなる過酷な世界だ。

 有名女優と結婚する「一般人男性」が外資系投資銀行マンであるなど、日本では圧倒的な勝ち組ビジネスパーソンである外資系金融とは、一体どのような世界なのか。その栄光と過酷な実態、そして日系金融機関との圧倒的な格差に給与の実数を挙げて迫る。