部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年#18Photo:FangXiaNuo/gettyimages

管理職のポストが激減し、同期の間で年収格差が広がっている。特集『部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年』の#18では人事ジャーナリストの溝上憲文氏が、5人の元・現役人事部長に広がる年収格差や降格制度と役職定年のシビアな実態、5人が実践した出世の作法を聞いた。(人事ジャーナリスト 溝上憲文)

「週刊ダイヤモンド」2023年4月1日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

※前編『「45歳を超えると出世は難しい」人事部長5人が本音で明かす部長・課長昇進のリアル【前編】』はこちら

覆面参加者
●エネルギー大手 元人事部長Aさん(50代男性)
●食品大手 人事部長Bさん(50代男性)
●住宅大手 元人事部長Cさん(50代男性)
●サービス大手 人事部長Dさん(50代男性)
●建設大手 人事部長Eさん(50代男性)

中途採用者の間でも、一般応募か
ヘッドハンティングされたかで格差

転職者は一般公募かスカウトかで格差Illustration by Yuuki Nara

 近年は中途採用に積極的な企業も増えてきたが、“外様”でも出世はできるのだろうか。サービス大手の人事部長Dさんによると二つに分かれるという。

「求人広告や求人サイトの一般募集で入社する人が、初めて会う人ばかりの慣れない環境で成果を出すのは困難だ。よほどのパワーがないと出世は難しい。一方、DX人材など今の会社にない高スキルを持ち、人材紹介会社やヘッドハンター経由で入る人は、高収入と2年後の課長昇進を約束されて招かれる人もいる。同じ中途でも格差がある」(Dさん)

 気になるのは課長・部長の処遇だが、係長クラスから課長になると年収も一気に跳ね上がる。

課長になると
200万~300万円年収アップ

 食品大手の人事部長Bさんは「課長で年収1000万円、部長で1300万~1500万円ぐらいになる。課長一歩手前の等級で700万~800万円なので、課長になると200万~300万円アップする」というから結構な上がり幅だ。

 住宅大手の元人事部長Cさんは「メーカーなので給与水準はそんなに高くないが、課長の手前の係長クラスで年収600万円程度。課長になると800万円台になり、部長になると1000万円の大台に乗る。ボーナスは給与の5カ月分が基準になるが、部長以上は会社業績と連動し、会社の業績目標が未達だと4カ月分になるし、上回れば5カ月分にさらにプラスされる」と明かす。

 エネルギー大手の元人事部長Aさんは「課長以上は年俸制になり、業績で変動するが、課長の年収は900万円、部長は1300万円を超える。年齢にもよるが、課長の手前の職位の年収は平均で600万円、最大700万円ぐらい。課長になると200万~300万円アップすることになる」と語る。

 サービス大手や建設大手も「課長になると、200万~250万円アップする」と同様の傾向だ。

 課長の年収の大幅アップもさることながら、深刻なのは同期間の年収格差の拡大だ。

 次ページからは、同期の間で広がる年収格差や、降格制度と役職定年のシビアな実態、そして人事部長5人が実践した出世の作法に迫る。