20年以上多くの読者に選ばれ続けてきた大学案内『大学図鑑!』が今年もパワーアップして発売された。現役生・OB・OGら5000人超のナマの声によってつくられた本書は他の大学選びのひとつの手段として選ばれている。本記事では最新版である『大学図鑑!2024』の出版を記念して、内容の一部を抜粋し再編集してお届けする。(本記事は2022年12月時点に執筆した『大学図鑑!2024』をもとにしています)
成蹊大学はどんな雰囲気?
成蹊イメージをつくる一部の優等生たちは、社会のルールから外れたり、マナー違反なんて野蛮な真似はまずしない。決められたことをしっかり守り、疑うことを知らない。ただ、「なにをするにも嫌みがない。それが逆に腹立たしく思うこともある」(文学部生)。
悪いことをしてはいけないという倫理観があるので、講義をサボった友達に、「なんで学校に来ないの?」と電話して、やんわりととがめるのもよくあること。普段はおとなしくて控えめなのだが、こういうことになると中学生っぽい熱意を見せる。当初は違和感を覚える一般学生たちも、そのうち感化されて、いつのまにか奔放な言動や行動を慎むようになる。
このように、友達を学校に来させようとする裏には、「昼ご飯を一緒に食べる人がいないと困る」(経済学部生)という本音もある。成蹊の学生は、周囲から浮かないように気を使いがちだ。群れをなして行動し、流行ド真ん中の紋切り型ファッションを好む。「春先は、見事にベージュのトレンチコートの女子しかいなかった」(法学部生)。男女ともにオシャレではあるのだが、アイテムのかぶり率は非常に高い。極端な金持ちはぽつぽつと混在している感じ。フツーの学生は、「小遣いは4万円くらいあれば十分」というのが一般的だ。
親子そろって成蹊というパターンも多数。他大との交流は少なく、恋愛関係は自給自足が基本。カップル話になると茶化し合ったりするところは高校生風。
成城大学はどんな雰囲気?
東京屈指の高級住宅街、成城。そんな土地柄もあり、派手で、オシャレ偏差値が高めな若者が多い。ブランド物を持ち歩いている子も目立つ。「かわいい女子が多い」とは、男子学生の共通見解。性格的には、温和な平和主義者が主流。こぢんまりしたキャンパスで、和気あいあいと4年間を過ごす。学校の規模が小さいぶん、友達との仲は深めやすいのだ。
しかし、穏やかであるということは、活気がないと言い換えることもできる。「高校のときにいたような、リーダータイプ、何かが突出しているスゴイ人、個性的な人はいない。『クラスの中間層の集まり』って感じ」(経済学部生)、「毎日楽しいんだけれど、大学を他の人に自慢することはできない」(社会イノベーション学部生)という声もある。
約90団体ある部活・サークル加入率は意外と高く7~8割ほど。サークルよりも、部活のほうが活動が盛ん。それもそのはず、部活の勧誘は入学式直後の4月に行われる一方で、サークルの勧誘は5月という遅い時期に行われる。「サークルに入りたいなら、Twitterで地道に探さなきゃいけない」(文芸学部生)、「そもそも、数が充実していない」(社会イノベーション学部生)。
遊びに行くときは、小田急線沿線の新宿や下北沢に繰り出すことが多い。一人暮らしの学生は成城学園の付近や下北沢に住むが、貧乏下宿生というより、豊富な親の仕送りでリッチに暮らす率が高い。