中でも、最も値下がりしにくいのは東京・港区だ。相場が下がらなければ平均下落率は「0%」である。つまり港区の物件を手放す場合は、買った時と同額で売れる。そして、住宅ローンを返済した残りが手元に戻ってくるのだ。

住宅ローンは実質「積み立て」
家賃は実質「掛け捨て」の違い

 例えば、5000万円で港区に新築マンションを購入し、しばらく暮らした後、同じ5000万円で売却するとしよう。

 この際、マンションに住んでいる間に住宅ローンを2000万円返済すると、残債は3000万円である。中古売却によって得た5000万円を元手に住宅ローンを完済すると、差額の2000万円が手元に残る。

 すなわち、月々のローン返済は、実質的に積み立てをしていたことになる。これに対して、賃貸の家賃は掛け捨てである。

 積み立ては資産価値に連動するので、マンション価格が値上がりした分は利益となる。もし5000万円で買ったマンションが5200万円で売れた場合、ローン完済後に手元に残る資金が増えるのは自明である。

 実際、2013年からの10年でマンション価格は7割以上上昇している。この値上がり益も自宅に限って3000万円まで無税なので、満額手元に入ってくる。

 購入した物件価格が大きく下がらなければ、個人の信用を元に、住宅ローンを最大限使って、資産形成する方法も夢物語ではない。

 そして、このようなノウハウを学び、資産形成をしている人は少なくない。筆者が運営している無料会員制サイト「住まいサーフィン」の会員数も28万人を超えている。

 自宅の売買で利益を出せるかは、方法を知っているかどうかで決まってしまう。いわば、「学習した者勝ち」の世界なのだ。