サバ缶はどうやって作られる?
「原料」が最重要な理由
普段、何気なく食べているサバ缶ですが、その製造工程の裏側はどうなっているのでしょうか。代表的な水煮缶の場合を紹介しましょう。
まず、サバを1匹丸々仕入れ、食べやすい大きさにぶつ切りにします。次に、それを缶に詰め込み、塩水を入れ、蓋をして空気を抜き、しっかりと密封します。続いて、缶を120℃程度で約1時間加熱し、煮魚にしながら殺菌します。最後に缶を冷ませば完成。密閉して殺菌するため、缶の中は無菌の状態が続き、特に添加物を加えなくても長期保存ができるというわけです。
このように、サバ缶の作り方は、「サバと塩水を入れて加熱するだけ」と非常にシンプルです。ということは、差を生む要因の大方は、サバそのものの「原料」にあるということになります。
私がかつて築地市場の水産加工品を扱う卸会社に勤めていた際、「加工品の良し悪しは大方、原料で決まる」と教えられました。では、原料の何が違うのでしょうか。1缶100円台のサバ缶と、3000円台のサバ缶とで比較してみましょう。