働き方改革の副作用
「ゆる過ぎる職場」で離職者が続出
近年は、従業員に過重な労働を強いたり上司のパワーハラスメントが横行したりする企業のあり方が問題視されてきました。その中で、働き方改革に関する法律が整備されて、いわゆる「ブラック職場」の働き方に制限がかかるようになりました。
これにより、以前と比べて極端に長い残業を課す企業は減り、過重な業務の負荷は軽減されるようになりました。この点だけを見ればとてもよい話のように思えますが、今度は別の問題が浮上してきました。それが若手社員の「職場がホワイト過ぎて辞めたい」問題です。
というのも、外部からの「ブラック企業だ」という批判や、社員の早期離職を恐れるあまり、新人や若手に与える仕事量を過剰に軽くする企業が見られるようになったのです。
また、パワーハラスメントと言われたくない上司が十分に指導しないケースも出てきました。その結果、ホワイト職場というよりは単なる「ゆるい職場」が出来上がり、若手社員はお客さん扱いのままになってしまう例も……。
「こんなゆるい環境にいたら、自分は成長できないのではないか」
「このままではどこへ行っても通用しなくなってしまう」
そんな焦りや危機感から転職を考え、実際に退職する若手社員も出てきています。
「職場がホワイト過ぎて不安」な若手社員は、どうすればよいか。本当に転職が解決策になるのか、今回は考えてみましょう。