藤本健司 我究館館長から一言!
「一歩踏み出て、自分の存在意義を確かめよう」
先日、大阪で仕事があって、佐伯さんをはじめ大阪で働いている我究館の卒業生たちと再会する機会を得ました。みんなが口々に「仕事が楽しい」と言ってくれたのがとてもうれしかったのですが、その中に「『内定はスタート』は本当ですね」と言った人がいました。
佐伯さんは大学3年生の時、ご両親の期待に沿う企業の内定を取れなかったことを機に、自ら就職留年を選びました。親の作った安全な「箱」を一歩踏み出て、「自分の進む道は、自分で決める!」という決意を行動で示した佐伯さん。
勝ち取った「内定」は、現在社会人になった彼女が「自分で歩くのはつらいけど楽しい」と語るように、自分の存在意義を確認しながら自立して行くためのスタートでした。
■存在意義は成長意欲へ
●親が敷いたレールが当たり前 = 親は自分の存在意義を認めているという安心感↓
●年齢と共に未知のタイプの人たちと出会う = このままでいいのか!?(周囲を見る力)
↓
●親の敷いたレールから一歩踏み出す = 自分で歩くのは大変!
↓
●周囲から存在を認められたい = 必要とされる能力を高めたい(成長意欲)
就活での悩みの一つに、両親や周囲に影響されて自身の望みを見失ったり、隠してしまっているパターンがあります。本来、佐伯さんは、新しい世界をどんどん開拓していくタイプだったのですが、子どもの頃から絶対にはみ出してはいけない「箱」が与えられていたため、自分のやってきたことが他の人にどう評価されるかが分からなかったのです。
本人いわく、経済的にも自立した今、両親の箱から出てはみたものの、「大きな選択をするとき、こっちのほうが親が喜ぶのかな」と、「今度は自分で親を基準に箱を作ってしまっている」と思うことがあるそうです。
それでいいのです。親に存在意義を認められ続けるために、親の気持ちを考えてみるのは当然です。職場で存在意義を認められるよう課題解決にいそしむのも、お菓子をおいしく食べてくれる人のために腕を振るうのも同じです。そうして、自分以外の周囲の人と存在を認め合い、継続的に線でつながっていくことが大切だと思うのです。
(我究館館長 藤本健司)