早大生は一般消費者向け
慶大生は広告代理店に注目

 早大生と慶大生のランキングを比較すると、早大生のランキングではtoC向け(一般消費者向け)のサービスを展開する企業が多くランクインする傾向にあった。他の大学のランキングと比較して、早大生ランキングのみでランクインする企業として伊藤忠商事がある。

 一方、慶大生のランキングでは、不動産、金融、広告代理店業界が多くランクインする傾向にあった。特に、電通と博報堂は他大学と比較しても慶大生ランキングのみで登場し、早大と比較すると特徴のひとつであることが考えられる。

 早大生、慶大生が注目した企業ではどういった働きがいや成長環境があるのか、新卒入社した社員のクチコミ(原文ママ)から見てみよう。

「クライアントの課題解決、という非常に幅の広い要求に自発的に問と解を見出すことに面白みを感じられる人にはぴったりの職場。ルーティンワークが少なく、飽きることはない。若手にも裁量を持たせてプロジェクトを進める機会を与えられるため、成長のチャンスは大きいと言える。(営業、女性、電通)」

「誰でも知っているような商品やサービスのマーケティングを担当をさせてもらえるので、責任も感じますが、その良い意味の緊張感が成長につながるのではないかと思います。マーケティングリサーチからコミュニケーション企画までのマーケティングコミュニケーション領域はもちろん、ブランディングやマーケティングシステム領域、そしてDXやD2Cブランドの開発などの領域まで業務領域は広がっていますので、色々な成長の方向が目指せると思います。(マーケティング、男性、博報堂)」

「グローバルなビジネスを展開しているため、海外とのやりとりや大きな金額を動かしている実感を得ることが出来る。営業では若手から主担当を持つ事が出来、価格交渉や面談などに積極的に参加する事が出来る。また、会社の名前を使える事が出来るため、新規客先の検討など、現状維持以外のビジネスも期待できる。また、残業時間については朝方勤務や深夜残業禁止が浸透しており、昔の様な勤務体制はほぼないと思われる。(営業、男性、伊藤忠商事)」

 注目度が高い企業の共通点としては、「20代成長環境」への社員からの評価が高いことが挙げられる。(上位5社中4社は「20代成長環境」の社員評価スコアが4.5超)。実際に企業の採用サイトをのぞくと、「早期から裁量権が与えられる」「20代のうちにリーダー職になる人が多い」といった発信が多く見受けられる。

 その要因として、転職前提の就職活動という若い世代のキャリア観、ジョブ型雇用の推進などによるキャリア初期におけるスキルセットへのニーズの高さが考えられる。今後、若手の裁量権の大きさに関する注目度は増していくとみられる。