本人確認資料という曖昧な呼称が
お客からの苦情の原因に
また、本人確認資料については運転免許証やマイナンバーカードなどと、その資料を特定してはならない。おそらく、運転免許証を所有していない人に対して運転免許証と特定してしまうと、不快に感じ苦情に繋がることを恐れているのかもしれない。だから「ご本人様であることを確認できる資料(本人確認資料)」という曖昧な言い方になるのだが、これを聞いたお客から、
「えっ?例えば何ですか?」
と聞かれた際に、初めて具体例を示すことができる。
「運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真が付いている証明書はありますか?」
「健康保険証ならありますが」
こういった答えが返ってくると、さらにやりとりが続いてしまう。
「保険証など顔写真がない証明書の場合は、住民票や戸籍謄本といった証明書を役所から取り寄せていただく必要があります。もしくは、電気代やガス代など公共料金の領収書はございますか?ただし、親御様のお名前で支払っているものはダメなんです。さらに、クレジットカード払いなどで、料金だけが記載されているものもダメなんです。銀行やコンビニで支払ったことがわかるもので…」
こうなってくると、ほとんどがすぐには手に入らないものばかり。いかに顔写真付きの証明書が必要だということがおわかりだろう。ちなみに、2020年2月以降のパスポートには住所記入欄がなくなっているので、顔写真があろうとも、免許証やマイナンバーカードのようにそれ1枚では口座を開設できない。併せて健康保険証や住民票の写しなど、住所確認できるものが別途必要となる。
「わざわざ予約してるんだからさ!そういうのが必要だったら、電話ぐらいしてこいよ!こっちは仕事を休んで来てるんだぞ。なんとかしろよ!」
こんな苦情も多くなるのは当然だろう。