ノンバンクが保有する金融資産残高

米国を中心に、世界的に金融システム不安が台頭している。昨年からの利上げにより、銀行預金からMMF(マネー・マーケット・ファンド)等の金利商品へ資金シフトが進んでいるためだ。これに耐えられなくなった米シリコンバレー銀行と米シグネチャー銀行は3月、破綻に追い込まれた。
その後、連鎖破綻懸念は一時的に後退した。預金の全額保護や流動性供給など、米国当局による迅速な対応が奏功したのである。
しかし、5月1日の米ファースト・リパブリック銀行の破綻で新たな懸念が生じた。同行を巡っては、米連邦預金保険公社による格付け引き下げについての観測報道がなされた。格下げによりFRBが提供している流動性供給プログラムの利用が制限されると、資金繰りが一気に難しくなる。自力での経営再建が困難な銀行は、当局に救済のはしごを外されるリスクがあることを浮き彫りにした。