「買う気ないのに…」営業トークに自信ありの人ほど顧客の感触をはき違える理由写真はイメージです Photo:PIXTA

「順調だった商談が途中から進みづらくなる」「反応は良かったがクロージングすると顧客に引かれる」という相談が多い。これは顧客の好反応が「見せかけ」にすぎないことが原因だ。「見せかけの合意」を未然に防ぐ方法がある。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

営業担当者の行動が
見せかけの合意を誘発する

「顧客との商談が進まない」という相談を受けることが多い。「最初は良い反応だと思えたのだが、途中から煮え切らなくなった」「順調に商談が進捗したが、契約段階に入ると、よく検討しますと常套句(じょうとうく)のように返されてしまう」「営業プロセスは進めることができたが、結局、クロージングの成約率が上がらない」という課題に直面している営業担当者は少なくない。

 成約に至らなかったということは、「最初の良い反応」や「順調に商談が進捗した」こと、「営業プロセスが進んだ」こと自体が、営業担当者の印象にすぎなかったということだ。顧客との間に「見せかけの合意」が生まれていた可能性がある。

 では、目の前の顧客の反応が「見せかけの合意」から生まれたものかどうかを見抜いて、成約率を上げることができないだろうか。

 このように申し上げると、「顧客を完全に誘導することは難しい」「それができれば、全ての営業担当者がトップセールスになっている」「結局、案件数を増やすしかない」という反応が多い。

 実は、この見せかけの合意が生まれる原因は、営業担当者自身にあるケースが多い。従って、営業担当者自身が「スキル発揮の仕方」を変えることで、見せかけの合意を未然に防ぐことができるのだ。