最終的には、今自分がどんな状態かを心穏やかに理解できるようになる。
この「心穏やかに」というのが大事やね。
自分の感情を言語化する行為は、少し自分を客観的に見ざるをえない。
心穏やかに自分を見ることで、はじめて感情の言語化ができる。これを続けると、心穏やかに自分を見るのが前より、ラクになる。すると、どんな状況でも仮に動揺したとしても、落ち着いて、客観的に自分の感情と向き合うことで、気持ちをコントロールできるようになる。
緊張や焦りがあっても、あるいは気落ちなどをしても、客観的に自分を捉え、本来自分が持っている能力を十二分に発揮できるようになるってわけや。
不安でいっぱいになるのは、脳のトリックのせい
感情のラベリングを習慣化すると、自分の感情を冷静に、ちょっと上から俯瞰で見るように、客観視できるようになる。自分がどんなときに幸せを感じるか。つまり、どんな自分で過ごしていたら幸せなのかが見えてくるようになる。
それだけではなく、感情に向き合い、味わっていくと、気づくことがある。
「自分の感情が片方だけじゃない」という実感だ。
これは俺が掲げている「ZerO理論」の大切な要素のうちの1つ、「相対・表裏一体」という考え方でもあるんやけど、すべてのものごとは、相反する別の要素を持っている。それは表と裏のように密接で切っても切れない関係で存在する。人の感情はまさにそう。「不安」と「期待」が同じだけある。
この「相対・表裏一体」に、感情を味わうことに慣れていない人は気づけない。やっぱり自分の感情も、片方しかない、片側に偏ってしかないと思い込んでしまうからだ。それは脳のトリックやねん。
あなたの感情も、「相対・表裏一体」になっている。ただし、人の脳は同時に2つの感情を捉えることができない特徴があるんだ。
でも、考えてみると当然のことなんだよね。「相対・表裏一体」ということは、同じ感情の正反対が、表と裏として同時にあるってことやな。