「相対・表裏一体」とはどういう状態か

 例を出してみようか。

 たとえば、あなたに大好きな恋人がいたとする。そろそろつきあって1カ月になる頃。「大好き!」「愛している!」というとき、自分に「大嫌い!」の感情があるとわかるかな?

「あるわけない!」とほとんどの人が答えるわな。

 ではわかりやすいたとえを使って、2つの感情(好きと嫌い)が同時に存在するけど片方(好き)しか感じられないというのを体感してみよう。

 来週の金曜日は、ちょうどつきあいはじめてから1カ月の記念日だ。

「来週の金曜日。ちょうどつきあって1カ月。その記念に、お互いにプレゼント買って、交換しよう」とあなたは、相手に提案し、相手も快諾。だけど直前になってドタキャンの連絡が。

 その時あなたは「ええ?一週間前から約束していたのに……」ってなるだろうけど、でも好きだから、許すと思う。

「それなら、プレゼントだけ買っておいて、別の日に必ず交換しあおう」と言う。

「もちろん、ほんとごめん」

 全然いい。仕方ない。そう返す。好きやから。

 そして当日。あなたは大好きな恋人と会うつもりだったけれど、デートが延期になったので、渋谷に買い物に来た。恋人へプレゼントを買いに来たんや。駅前のスクランブル交差点。信号を待っているとき、ふと顔をあげると、交差点を渡った向こう側にあるスタバの窓に見覚えのある人影が見える。あなたの恋人や。一緒に楽しそうにしている相手は……あなたの親友や。