両極がわかれば、人生を自由に生きられる

 別の例でも伝えよう。

 これはアスリートとの対話でよくする話だ。

 運命の分かれ目となるような、大切な試合の前日。めちゃくちゃ緊張している選手がいるとする。「やっぱりふとしたとき“不安”な自分も出てきますね」と、その選手が言ってくれたとしよう。

 すると、俺はこう返す。

「心穏やかに在るものを見たらええ!それだけ“期待”している自分がいるってことや!」

 そう。すべては「相対・表裏一体」なんだ。

 不安の反対には、必ず同じだけの期待がある。まったく自分に期待していなかったら、不安なんてものもない。ここで、心穏やかに自分を客観視できれば、もうすでにあるんだと気づける。

 だから、ネガティブな自分や、弱い自分、恐れている感情や、ウィークポイントだと思っている性格に抗う必要はないねん。自分の中にある、両方の感情。両方の性格。自分にとって不快な感情もあるだろう。でも、あるものから目を背けず、味わったら執着せず手放す。

 そのちょうど真ん中にあるZerOの部分に立つんだ。ZerOの視点とは自分軸。

 ZerOの視点に立てば、その両端が、両極が見える。「なりたい自分」を目指すための選択ができる。自分の舵取りができるようになる。勝手に自分が無意識に選択した、「自信がない」だ「ネガティブ」だ「暗い」などの“片側”だけに支配されず、ありたいように自由自在に選択して生きていけるのよ。