むくみ、冷え性、便秘、足腰の痛み、コリ、倦怠感、不眠といった、なんとなくの不調。
『すごい自力整体』の著者・矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語る。「自力整体」とは人の手を借りずに、「整体施術のプロの技法」を自分におこなえる人気メソッド。東洋医学をベースにしながら効率的に問題解決するのも魅力の一つ。ダイエットを目的とする実践者も多く「ゆるめるだけで、健康的にスリムになる」と話題。なぜ自力整体でスリムになるのか?(構成/依田則子、写真/榊智朗)
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
ゆがむと太りやすい? 体の悩みのメカニズム
――自力整体の視点から、夏までにぽっこりお腹などをなんとかしたいときに役立つダイエット法を教えてください。
矢上真理恵:美しくスリムになる手軽な方法が一つあります。骨盤のゆがみを整えることで、自然に健康的にやせていきます。
骨盤は体の基盤です。その骨盤がゆがんでいると、体の至るところでゆがみが生じ、血液やリンパ液の流れを邪魔します。
血管は体の中の筋肉に栄養を届ける重要な役割を担っていますが、体がゆがむと血流が滞ってしまいます。
また、老廃物を取りのぞくパイプの役割を果たすリンパ管も渋滞。その結果、脂肪、余分な水分、滞留便などの老廃物が滞ってしまいます。ぽっこりお腹、下半身太り、二重アゴとなってあらわれ、肌荒れなどを引き起こします。
この老廃物をしっかり排泄できないと、さまざまな場所にコリが発生。さらにコリが悪化すると、痛みを感じるようになります。
健康的にスリムになる近道は、骨盤のゆがみを解消し、体の不調を改善すること。これがキレイにやせるカギを握るのです。
「くびれ」をつくる骨盤のゆがみ直しのワーク
お腹まわりの掴めるお肉「皮下脂肪」がたまりやすい人の体型は、腰が後ろにゆがんでいる「反り腰」がほとんどです。ここでは反り腰を直すことでウエストまわりを引き締めるワークをご紹介しましょう。
(ワーク名)「くびれ」をつくる骨盤のゆがみ直し
※画像を見ながらおこなうとわかりやすいでしょう(*写真『すごい自力整体』より)。
1 あおむけになり、左足は床に下ろしたまま右足を天井に向ける。右足裏にタオルをひっかけて、右手だけでタオルを掴む。
2 右足を横にゆっくり開き、左のそけい部を押さえ、左ひざを軽く揺する。
3 右足を上に戻し、タオルを左手に持ち替え、右足を左側へゆっくり倒す。顔は右を向く。反対側も同様におこなう。
この動きを一日3~5回、5~7分ほどかけてゆっくり丁寧におこないましょう。
朝や寝る前、運動前後など、毎日おこなうと効果的です。少しずつ骨盤まわりのゆがみは解消され、夏までに美しいボディラインに。
『すごい自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています。(★一部動画でもご視聴いただけます)
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『DVDで覚える自力整体』『DVD3分から始める 症状別 はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗