エネルギー動乱Photo:Image source RF/Mischa Keijser/gettyimages

任天堂創業家の資産運用会社、ヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)が海洋土木の東洋建設に株主提案した取締役選任案で、取締役候補者の一人である加藤伸一・プログレッション・エネルギー日本プレジデント&最高経営責任者(CEO)が、ダイヤモンド編集部のインタビューに応じた。なぜYFOのオファーに応じたのか、そして東洋建設が秘める洋上風力ビジネスのポテンシャルについて、洋上風力のスペシャリストである加藤氏が激白した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

洋上風力は業界序列を崩す
東洋建設には絶好のチャンス

――なぜ、任天堂創業家の資産運用会社であるヤマウチ・ナンバーテン・ファミリー・オフィス(YFO)から東洋建設の取締役候補としてのオファーを受けたのでしょうか。

 確か今年2月下旬ぐらいだったと思います。人材コンサルタントから突然連絡がありました。社外役員の話があるんですけど、興味ありますかと聞かれ、どこの社外役員ですか?と尋ねたら、YFOだと。つまり、東洋建設のことだったんですね。

 東洋建設での社外役員に関心があるとお伝えした後、YFOの最高投資責任者(CIO)である村上皓亮氏とオンラインで面談しました。

 私に依頼されたのは、企業のガバナンスではなく、洋上風力でした。東洋建設が洋上風力分野に参入するから、知識と経験がある私に加わってほしいということでした。

 もともと私はかんかんがくがくの議論をするし、たとえ取締役会だとしても、きちんと意見するタイプの人間ですよ、と伝えました。村上氏からは、むしろそれが好ましいと言われたんです。

 これは面白いと思いました。洋上風力は今、戦国時代に突入しています。洋上風力分野は業界での序列を崩すチャンスがあり、ゼネコン、マリコン(マリンコントラクター)業界にも一石を投じることができるのではないかと思います。

――東洋建設は洋上風力の分野で、これまで大きな実績はなく後発組です。

次ページでは、洋上風力のスペシャリストである加藤氏が、洋上風力分野の後発組である東洋建設が秘めるポテンシャルをはじめ、東洋建設で実現したい洋上風力ビジネス、最もチャンスがある事業エリアなどについて、包み隠さず語り尽くす。