フェラーリ488ピスタで
自由で個性的なコースを走行

 さて、いよいよコース試走だ。通常のサーキットではガレージピットからピットレーンへと出てコースに向かう。しかし、ここでは高級ホテルの車寄せのようなピットレーンからコースインする。この点だけでも、非日常的な異空間を体験できる。なお、このピットレーンは空調完備で、暑さや寒さを感じることなく快適に愛車の乗り降りが可能だ。

まるで高級ホテルの車寄せのようなピットレーンまるで高級ホテルの車寄せのようなピットレーン。従来サーキットのピットとは大きく異なる Photo by Shogo Nishikawa

 

「フェラーリ488ピスタ」で超高級会員制ドライビングクラブのコースを走行してみた筆者が試走したフェラーリ488ピスタ。軽量で運動性能に優れているため、このコースを味わうのにうってつけのモデルだった Photo by Shogo Nishikawa

 筆者が試走したフェラーリ488ピスタ。軽量で運動性能に優れているため、このコースを味わうのにうってつけのモデルだった

 コースインすると最初は一気に勾配を駆け下りる。まるで峠道のようなコーナーセクションだ。左右に連続する下りのコーナーセクションを終えると、高速コーナーを挟んで800mのストレートへ突入。このストレートは若干下り坂なので、高性能モデルならば優に時速250kmを超えるだろう。

ここからピットアウトしコースへと向かう。先が見えないためこの時点から下りの急勾配が始まるのがわかるここからピットアウトしコースへと向かう。先が見えないためこの時点から下りの急勾配が始まるのがわかる Photo by Shogo Nishikawa

 そこからわずかな右コーナーを経て、大きく回り込む左コーナーを過ぎると、今度は上り始める。ロングストレートの後のコーナーでは、しっかりとランオフエリアが設けられているので、果敢にハードブレーキングに挑戦できそうだ。

ロングストレートの後、緑のランオフエリアは広くとられているロングストレートの後、緑のランオフエリアは広くとられている 画像提供:コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド

 大きく回り込む左コーナーを抜けると、コースで2番目に長いストレートを挟み、中速から低速へとコーナーは徐々に変化。ランオフエリアは確保されているものの道幅も狭くなり、また峠道のようなセクションとなる。先が見えないほど上っている最終コーナーを立ち上がると1周が終わる。

最終セクションは道幅が狭く急激な上り勾配となっている最終セクションは道幅が狭く急激な上り勾配となっている。ブラインドコーナーも多く、コースの中で一番峠道を思わせるセクションだ 画像提供:コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド

 実際に走ってみると改めて、追い抜きをあまり考えていないこのコースは道幅が狭いことが分かった。サーキットというより、「峠道」の表現の方がしっくりくる。コーナーも曲率が入り組んでいる複合コーナーで先が見えにくい箇所もあり、ライン取りやブレーキングポイントは走り込まないとつかみ切れない。非常に攻略しがいのあるコースだ。

 攻略しがいがあるということは、このコースに魅せられる運転好きはきっと多いはずだ。路面は、前田道路が特別に専用設計・開発したアスファルトを使用している。継ぎ目やギャップは、一般道はもちろんサーキットと比べても少ない。極上の路面だ。

 全くと言っていいほど継ぎ目のない路面は、前田道路が専用設計・開発したアスファルト。どんなタイヤとクルマでも楽しめるように「滑り具合」にこだわっている全くと言っていいほど継ぎ目のない路面は、前田道路が専用設計・開発したアスファルト。どんなタイヤとクルマでも楽しめるように「滑り具合」にこだわっている Photo by Shogo Nishikawa

 一般的なサーキットを上回る路面で、攻略しがいのある個性的なTHE MAGARIGAWA CLUBのコースは、「世界で一番安全に楽しめる峠道」と表現するのにぴったりだった。