「理工系学部がやっきになっていますが、東大だって文Iの3割は女子学生です」

 女子生徒の4年制大学志向や短大の見直しなども相まって、女子学生の進学率は年々上がりつつある。

「今年、中央と立教、明治の法学部の合格者ランクのトップは女子校です」(井沢さん)

磨き続けたトイレと伝統

 かつてはバンカラのイメージが強かった明治大も、女性の視点を意識してきた。

 同大入試担当副学長の加藤久和教授は言う。

「トイレを改修したり、女性のキャリア教育に取り組んだりと30年間変わり続けてきました」

 1998年に竣工した駿河台キャンパスの「リバティタワー」もその象徴で、トイレの個室の空き状況がひと目でわかる工夫がされていたり、パウダールームと洗面台がわけられていたりと細やかな気遣いが垣間見える。

 もちろん、磨き続けたのはトイレだけではない。

 女子学生向けのキャリア支援を強化するなど、様々な取り組みを重ねている。

図_こんなに違う!1993年と2022年を比べてみたAERA 2023年6月5日号からAERA 2023年6月5日号から

「そのかいもあってか、女子の志願者数は93年は17.6%だったのに対し、今年は35.7%に上昇。女子に選ばれる大学になったと思います」

 だが、どれだけ大学が魅力的になっても、受験生に伝わらなければ志願してもらえない。明治では、受験生へのアプローチも“職員総出”で対応する。

「高校や入試に関するイベントのお誘いがあれば、アドミッション・アドバイザーが現地に駆けつけます。入試広報課事務室だけでなく、有志の職員も交えて対応するのが明治流です」