写真:ビル・ゲイツ氏イベントで講演するマイクロソフト共同創業者のビル・ゲイツ氏(6月12日撮影) Bloomberg/gettyimages

チャットGPT旋風がとどまることを知らない。ビジネスや仕事、投資などさまざまなことに活用しようというアイデアが世界中で湧き出している。そして、総額100億ドルといわれるチャットGPTへの巨額投資を武器に、「検索の王者」米グーグルの牙城を切り崩そうと動くマイクロソフトの市場評価が爆騰しているのだ。(イトモス研究所所長 小倉健一)

チャットGPTは投資に使えるか?
新たな検証が登場

 2022年のハイテク株暴落で、投資家は相当懲りていたのかもしれないが、チャットGPTはAI(人工知能)の可能性を具現化させ、ウォール街の新しい期待を集めることになった。

 ダイヤモンド・オンラインの記事『チャットGPTにファンドを作らせたら「8週間で+4.9%」、人気上位10ファンドを蹴散らした』に詳細は譲るが、英国の主要10ファンドの基準を参考に、優良企業の株式から成るポートフォリオをチャットGPTに作成させたところ、その「疑似ファンド」が主要ファンドたちをパフォーマンスで圧倒することになった。

 他にもチャットGPTを使ったユニークな投資方法が発見されたようだ。かつて、日本経済新聞の朝刊を読んで、その日の株価を予想する人がいたが、それをチャットGPTにやらせようという試みだ。

 米フロリダ大学のファイナンス分野の助教であるアレハンドロ・ロペスリラ氏は、ニューヨーク証券取引所、ナスダックを含む主要な米国の証券取引所に上場している株式に関するデータベンダーからの4138社に関する6万7586件のヘッドライン(記事の見出し)を調べた。ニュースのヘッドラインが企業の株価にとって良いニュースか悪いニュースか、もしくは無関係のニュースかについてチャットGPTを用いて評価し、その評価が株式市場と相関関係にあるかどうかを検証した。