スーツとビジネスパーソン写真はイメージです Photo:StefaNikolic/gettyimages

日本の中高年ビジネスパーソンは両極端に分かれます。スーツを着こなせていてもカジュアルは全然ダメ、もしくはカジュアルはいいけどスーツが着られないかです。ビジネスパーソンであれば、スーツに投資すべきでしょう。顧客からは見た目の印象で仕事ができる人間か、信頼できる人間か判断されてしまうからです。連載『伝説のスタイリスト・近藤昌の「人生を変える装い」』の第4回では、スーツの着こなし方をお話しします。(スタイリスト&ファッションディレクター 近藤 昌)

男の身だしなみは「スーツ」で決まる!
ジャケット、シャツ、ネクタイの関係性

 スーツは男の戦闘着ですから、おしゃれを忘れてしまった人は、まずスーツ姿を変えましょう。

 既製品のスーツを店員さんに勧められるがまま、裾の加工や丈の長さまですべてお任せにしていませんか? スーツにもトレンドがあります。

 今のトレンドはラペル(下襟)が少し太くて、着丈も若干ショートなスーツです。そうなると中に着るシャツの襟も大きめのほうが合います。そして、襟の大きいシャツに細身のネクタイは合わないので、太めのネクタイがいいでしょう。そして、ネクタイの真ん中にエクボ(小さなくぼみ)を入れ、ウエストを細くして広がるようにすると、包容力や余裕のある姿勢を表せます。

 このように、スーツのトレンドを基準に、ジャケットの襟からシャツの襟、ネクタイの太さが決まっていくのです。それぞれの関係性がトレンドにマッチしていると、「この人は洋服を知っている」と認識してもらえます。

 ところが、スーツ姿が決まっている男性は、実はほとんど見かけません。中高年だけの話ではなく、男子高校生の制服(いわば彼らの「スーツ」)の着こなしも様になっていません。男性がおしゃれ度を上げるには何が必要なのでしょうか。