大学生と若年失業者が増え続ける一方で、
人口減少への危機感と労働力不足が問題視されるアンバランス
このまま大学生を機械的に量産し続けていて大丈夫なのだろうか?
というのも、すでにコロナの前から産業界からは「高度成長期ならともかく、年間1000万人近くもの大卒者を雇用し続ける体力はもう経済界にはない」という声が上がっていた。冒頭で取り上げた今年の大学受験生も4年後にはまた今年の就活生と同じ、いやもしかしたらもっと厳しい就活に直面することになるかもしれない。もちろん、パンデミック直後の現在よりは経済事情は多少回復しているかもしれないが、かつてのような急速な成長はあり得ないと政府も述べている。
さらに言えば、就活に落ちこぼれた人が次々と次年度に繰り越された結果、今年の入学者たちが卒業するときには、その母数はずっと増えているはずだからである。
その一方で、政府も専門家も「人口ボーナスが消失した」と口々に人口減少および高齢化に危機感を強め、労働力不足が経済発展に影響すると警鐘を鳴らし続けている。そして、一人っ子政策をやめ、二人目、三人目出産を奨励し、人口増大を目指すようになった(それでも出生数は減少の一途をたどっている)。その一方で、現時点で職を求める高学歴者の多くが、その学歴にふさわしい職を得られないという状況が起きている。
明らかに中国では、労働力需給がアンバランスに陥っているのだ。