「痴漢動画の闇サイトを暴く」衝撃のBBC報道がジャニーズ問題ほど話題にならなかった理由写真はイメージです Photo:PIXTA

英BBCが日本で取材した「痴漢動画の闇サイトを暴く 売られる性暴力」という特集が最近放送され、話題になっている。日本在住の中国人グループが日本を含む東アジアの公共交通機関などで痴漢の様子を撮影し、それをネット上で今も販売しているという、ショッキングな報道だ。(フリーライター 鎌田和歌)

痴漢動画の裏で操る人とは? 日本の後追い報道は少ない

 イギリスのBBCが放送したジャニーズ事務所に関する性加害報道は、日本社会に大きなインパクトを与えた。報道がきっかけで、長きにわたって日本のマスコミがタブー視し続けてきた、未成年者への性虐待が白日の下にさらされることとなったのだ。

 そのBBCが6月上旬に放送したのが、「痴漢動画の闇サイトを暴く 売られる性暴力」だ。

参考:「痴漢動画を売るサイトの裏を暴く……BBC独自調査 日本と中国で」(BBC NEWS JAPAN)※動画の内容を要約した省略版

 内容は、非常にショッキングなものだった。

 中国、韓国、日本など東アジアの各地の公共交通機関などで女性たちが痴漢される様子がネット上で販売されており、その裏には組織的なグループがあるという。さらに、この組織は日本在住の20〜30代の中国人男性らによって運営されているというのだ。

 BBCの調査班は日本で1年以上かけて潜伏取材を行い、素性を偽って中国人グループに接触。彼らが動画を制作・販売している証拠をつかんだ上で、“黒幕”とされる20代の男に直接取材をしている。

 犯人グループが中国人であるためか、ジャニーズの報道に比べて、この報道への反響は大きくなく、日本での後追い報道もほとんどない。