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最新の「グローバル就業環境調査」によると、日本人の「仕事満足度」はわずか5%で、世界最低だった。この要因はいったい、何か? 他国の結果と比較もしながら、賃上げだけでは済まない、日本企業に必要な改革について考える。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

日本の「仕事満足度」は5%の衝撃

 6月13日、米調査企業のギャラップは、最新の「グローバル就業環境調査」を公表した。それによると2022年、わが国で「仕事満足度」(ワークエンゲージメント)を感じる従業員の割合はわずか5%だった。調査対象の145カ国中、わが国はイタリアと並んで最低だ。

 企業業績が拡大すると、一般的には給料は増える。給料が増える企業が多い国では、ワークエンゲージメントは上昇しやすい。また、職場環境についても、新しい商品を出すなど活気のある職場では、働いている人の満足度は高くなる。

 反対に、経済が長期的に停滞し業績が伸び悩むと、賃金の下押し圧力も強まり満足感も得られにくい。だから、わが国の仕事満足度は低迷しやすいのだろう。

 ただ、最近は、国を挙げて賃上げに取り組んでいる。また、従来の雇用の在り方を見直し、実力に応じた人事・報酬制度を導入する企業も目に付く。もちろん、先行きは楽観できないが、そうした企業の増加は、仕事に対する満足度ややりがいの向上に寄与することが期待できる。