楽天グループが「大規模増資」に踏み切ったワケ、復活のカギと“最大の課題”は?Photo:Jun Sato/gettyimages

今回は、「楽天グループ」を取り上げる。日本屈指の規模を誇る同社だが、モバイル事業の不振への懸念が強く、株価の下落に苦しんでいる。23年に入り、立て続けに大規模な増資や資産売却に踏み切ったことも話題を呼んだ。その背景を探ると、楽天復活のカギと「最大の課題」が見えてきた。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)

楽天Gが大規模な資金調達を断行!
背景にある「狙い」とは?

 楽天グループ(以下、楽天G)は、楽天市場に代表されるインターネットサービス事業、楽天銀行や楽天カード、楽天証券といったフィンテック事業、そして楽天モバイルが手掛けるモバイル事業を擁するコングロマリット(複合企業)である。

 そんな同社だが、2023年に入って矢継ぎ早の資金調達を行っている。23年5月には公募増資および第三者割当増資により約2940億円を調達。この増資で新たに発行した株式数は約5億4231万株で、これは増資前の発行済み株式総数の約34%に相当する。

 また、23年4月には子会社である楽天銀行が東証プライム市場に上場。その際に、楽天Gが保有する楽天銀行株を一部売却し、約720億円を調達すると発表している。さらに、23年5月には資本提携先である西友の保有株式を投資ファンドKKRにすべて売却した。売却金額は、約220億円とされる(23年5月13日付日本経済新聞朝刊)。

 なぜ、これほど大規模な資金調達を立て続けに行うのだろうか。同社の決算書を読み解くと、その背景にある狙いが見えてきた。さらに、楽天復活のカギと「最大の課題」も明らかになった。