そういうわけで、学生脳と大人脳を比較すると、大人脳に軍配が上がります。
もし、冒頭のように「昔は勉強したいなんてちっとも思わなかったけれど、今は学び直したいなぁ」と思っているならば、それは、あなたの脳がしっかりと成熟している証しです。
学びたいという意欲は脳にとって最高のご馳走。
この機会を逃さず、今のあなたの脳が喜んで働くようになる勉強法を身につければ、まさに鬼に金棒です。
「そうはいっても、実際に物覚えは悪くなっている!加齢の影響はあるでしょ」と考える人もいるでしょう。
これは大人の脳の使い方をしていないために、記憶力が下がったと勘違いしているのです。
脳科学的にはっきりわかっていることですが、記憶力は加齢によって下がりません。
「物覚えが悪くなった」と感じる原因は、すでに大人脳の仕組みになっているのに、まだ学生脳と同じ脳の使い方をしているから。
ルールが変わったのに、古いルールのまま一生懸命頑張っても、結果はついてきませんよね。
まずは私たちが、大人の取り扱い説明書をしっかり理解する必要があります。
新しい取り扱い説明書通りに脳を使うことで、この先の人生において、どんどん学びを深めていったり、新しい分野の知識を学んだりすることさえも容易にできるようになりますよ。
大人脳は10分の勉強を
12日間続けるのがコツ
脳の本来の性質は怠け者なので、視覚系と聴覚系の引き寄せる磁石の力も、うっかりするとすぐに弱まってしまいます。
何か一つのことを勉強するときは、常にそのことが頭の片隅にある状態が理想的。
親密度が高い状態を維持しておかないと、視覚系&聴覚系の怠け癖によって、情報を感知する力が著しくダウンしてしまいます。
言い換えると、連続性のあることに対して、脳はとてもよく働きます。
平日は時間がないからと、週末にまとめて2時間勉強をするという方もいるでしょう。
それ自体を否定はしませんが、1週間のうちその2時間しか勉強に取り組まないのであれば、その勉強法は本当にもったいない、というのが本音です。
翌日か翌々日あたりまでは親密度がそれなりに高い状態が続き、勉強した内容がチラリと頭をかすめることもあるでしょう。