売上高が22年比で5.5%減
成長のピークはすぐそこ?
その内容を、三つの気になる数字と共にお伝えしましょう。
最初の数字は、直近の決算業績です。2023年3月期の決算は減収減益でした。売上高が2022年と比べて5.5%減というこの数字がまず気になる最初の数字です。もちろん売上高に占める純利益の比率が27%と非常に高収益な企業ではあるのですが、純利益も減益です。
これが意味することは、任天堂の成長のピークがすぐそこに来ているということです。
この減収減益の原因は二つあって、一つはコロナ禍での巣ごもり需要が世界的に収束に向かっていること。そしてもう一つが、ハードとしてのSwitchのライフサイクルがそろそろ切り替え時に来ていることです。
そうなると、この先の業績は新ハード次第ということになるわけですが、そこで気になるのが2007年以降に任天堂が経験した株価の下落です。
当時の主力ハードであったWiiとDSの下で発売したソフトがSwitchほどの成功を収めることができず、特にDSの需要がスマホに流れて任天堂の業績は低迷しました。
その後、Switchが成功したことで任天堂の業績はV字回復するのですが、その経験から類推すると、この先の任天堂の業績は新ハード次第ということになるかもしれません。
だとすれば、成功するかもしれないし失敗するかもしれない。その点でハードのライフサイクルが終わりに近づいていることが、一つ目の任天堂の不安材料ということになるわけです。