町おこしに利用されるドンキ
そのことを顕著に表しているのが、ドンキが町おこしに利用されるようになってきたことでしょう。その代表例として、2011年に誕生した岐阜市の柳ヶ瀬店が挙げられます(2020年閉店)。
柳ヶ瀬は岐阜駅前に広がる歓楽街で、かつては「柳ヶ瀬ブルース」という曲で歌われるぐらいの一大歓楽街でした。それが2000年代に入ると衰退してしまい、中心市街地に人が集まらなくなってしまった。
その打開策として、地元商工会が中心となってドンキを誘致したのです。これには、ドンキの創業者である安田隆夫が岐阜県出身であることも関係していたようですが、地元活性化のためにドンキを出店する、ということが起こっています。
また、MEGAドン・キホーテ甲府店(山梨県甲府市)も、地元からの誘致で出店が決まった場所です。「産経新聞」の記事(2016年9月26日掲載)によれば、「閉鎖店舗の地主や、撤退による市街地の空洞化を嫌う地域住民などにとって、跡地に出店するドンキは引っ張りだこ」であるらしく、さまざまな地域で、町おこしの重要な要素としてドンキを誘致する動きが高まっているようです。
こうしたことからもドンキが町おこしに有用だ、という認識は高まっていることがわかります。かつて「ヤンキーのたまり場」として煙たがられることも多かったドンキは、現実にはかなりの変化を遂げてきているわけです。