サウナの入り方に戸惑う初心者から、サウナ慣れしてととのいにくくなってきた熟練サウナーまで! それぞれに合わせた「究極にととのう」ための入り方を、自らもサウナーの医師が解説した書籍「医者が教える 究極にととのう サウナ大全」が発売に!日常のパフォーマンスをあげ、美と健康をレベルアップする「最高のサウナの入り方」を、世界各国のエビデンスを元に教えます。この連載では本書より、一部を抜粋してご紹介します。

「熟練サウナーほど、ととのいにくくなる」説の真偽とは?Photo: Adobe Stock

熟練サウナーと初心者では体の反応が違う

「サウナにハマった頃は、ものすごくととのったのに、なんだか最近あまりととのわないな‥‥」。そんな風に感じているサウナーの方は意外に多いのではないかと思います。

それは気のせい? それとも本当なのでしょうか。本当なら、その対処法はあるのでしょうか?

そもそも、「サウナ愛好家」と「サウナ初心者」は、何がどう違うのでしょう。同じ職場の3名に協力してもらい、自律神経の状態を調べました。

被験者は、Aさん(サウナにほとんど入らない)、Bさん(たまに入る)、Cさん(毎日入る)の3人。ともに30代後半で男性。計測したコンディションも一緒です。

Aさんはサウナにほとんど入らないのでサウナ前の自律神経のパワーが低いですが、BさんとCさんはもともと結構高いことが分かりました。また、AさんとBさんは、サウナ前後で自律神経の状態にばらつきがありますが、サウナに頻繁に入るCさんは最初から最後まで安定していることがわかりました。

この結果を踏まえると、サウナ愛好家の自律神経は、多少のことでは動じない「ベテランの技術者」のようだと言えるでしょう。しかし、これは逆に言うと「緊急事態でも動じないがために、交感神経と副交感神経の振り幅が小さくなる=ととのいにくい」とも言えます。

実は、体が慣れている愛好家ほど、ととのいにくくなっていくのです。

常に「ととのう」を最大化するポイント

「今日は、あまりととのわなかった」「今日は、ものすごくととのった」。
サウナ歴が長い人ならみなさん経験したことがあるでしょう。
この違いは何なのでしょうか。どうすれば、いつも最大限ととのうことができるのでしょうか。
その日の体調や施設の設備、周りのサウナーたちの振る舞いなど、ととのい度は、様々なことに影響されます。

しかし、「ととのい度」を根本的に決めるのは、「交感神経と副交感神経のギャップ」です。
サウナ室→水風呂→外気浴で、交感神経と副交感神経を揺さぶり、ギャップを生じさせる。それが大きいほど、ととのう度合いも増します。

ギャップが大きいほど、ととのいが増す。
そう言われたら、きっとこう思いますよね。
「いつものサウナじゃ物足りなくなっているから、ととのわないんだ。もっと刺激を与えないとダメだ」「交感神経と副交感神経を限界まで上げてやる!」

こうして、ととのい迷子になったサウナーたちは、刺激を追い求めるようになっていきます。灼熱のサウナ室に長時間居座ったり、凍てつくような水風呂にチャレンジしてみたり。
気持ちはわかります。でも、こうやって、どんどん刺激を求めていくと、サウナ依存症になるのでおすすめできません(詳しくは本書P218)。

じゃぁ、どうすればいいんだ。これから一生自分はととのえないのか。そんな声が聞こえてきますが、どうぞ安心してください。本書で紹介することを試していただければ、まだまだととのえます。もっともっとととのえます。ぜひ参考にしてみてください。

*本記事は、「医者が教える 究極にととのうサウナ大全」から抜粋・編集したものです。