経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【元国税専門官が明かす】お金持ちがさらにお金持ちになりやすいワケPhoto: Adobe Stock

富裕層が投資の恩恵を得やすいワケ

【前回】からの続き 20年、30年と複利で投資を続ければ、元本を数倍に増やすことも不可能ではありません。

こうした複利効果の恩恵を、富裕層は得やすい状況にあります。お金が十分にない人は、まとまった資金を投資につぎ込んでも、生活費の不足などから頻繁にとり崩さざるを得なくなります。

そうすると結果として短期的な投資になりがちなので、タイミングによっては株価の値下がりの影響をモロに受けてしまいます。

相場に影響されにくい投資環境

でも、富裕層であれば日常的な支出には事足りていますから、落ち着いて長期投資を続けられます。

株価が下がっているときも冷静に投資を続けることができ、株価が上がる局面まで待てますから、その結果、コツコツと確実に資産規模を大きくできるのです。

富裕層に学ぶお金の戦略

ここ数年は投資ブームともいえますが、私が見てきた富裕層のように倹約が身についていないと、長期投資はできません。

少し株価が上がったからといって売却益で贅沢をするようでは、たいして資産を増やすことはできないでしょう。投資をはじめるのは簡単ですが、継続できなければ意味がありません。

まずは倹約してタネ銭をつくり、長期投資で複利のメリットを享受することこそが、富裕層のみならず私たちも肝に銘じるべき人生戦略なのです。

投資だけではない複利効果とは?

余談ですが、複利効果は投資に限ったものではありません。新しい仕事や勉強などをするときも、複利効果がはたらきます。最初はほとんど進歩が見られなくとも、徐々に大きなインパクトを生み出せるからです。

これはフリーライターとして取材を重ねた経験からいえることですが、成功している人は必ず地道かつ長期的な努力をしています。

周囲の雑音に心を動かされることなく、ただひたすら行動を積み重ねる。これが投資に限らず、人生の成功につながることは間違いありません。【次回に続く】

※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。