「自力で解く」を原則とするのは、日頃の地道な基本事項のインプットが追いついてきたタイミングでもいいでしょう。春から勉強を始めたとしたら、少なくとも夏・秋くらいにさしかかっているはずです。60分以上かけて解くような問題演習を自力で解くのはその時期からでも遅くはありません。
ただし、基本テキストの単元ごとに数問記載されている、確認テスト的な練習問題くらいは自力でその都度解いてみてくださいね。
(3)最初から完璧な理解を目指そうとする
「単純提示効果」という現象があります。同じものに何度も接していると、それを好ましく感じる現象です。何度も同じ広告を繰り返し見ていると、その商品に親しみを覚えて試してみたくなることがありますよね。広告はその心理を利用しているということです。
私の読書経験で言うと、哲学の本は難解すぎて、はじめは何が言いたいのかさっぱりわからないものが多いです。頑張って読み進めても、わからない部分が多くて前後関係が気になり、だんだんストレスになり、読むのをやめてしまいがちです。哲学本は、多くの人が挫折しやすいジャンルです。
しかし、哲学のように必ずしも順に理解できないものは、はじめから理解しようと思わずに、とにかく全文を読みきるのが大事なようです。とにかく読んで、読んで、読み進めていくうちに少しずつ理解できてくるものなのです。
多くの「すごく勉強ができる人」に実際に尋ねてきましたが、はじめから完璧な理解を目指さずテキストを読む人がかなり多いです。私は、完璧に理解しながら少しずつ読んでいきたいタイプなので、「最初はとりあえず概要をつかめ」なんて言われると反発したくなる気持ちはよくわかるのですが、2回目、3回目と読んでいくうちに理解していくほうがやはり効率が良さそうです。