絶対やってはいけない「3つの勉強法」とは?苦手な人ほどやりがち…書いて覚える、自力で問題を解こうとする、最初から完璧な理解を目指そうとする…勉強が苦手な人ほどやってしまいがちな勉強法だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

大学受験にとって重要な勉強期間ともいえる夏休み。高校2年生の夏から始める人や、部活をやっていて高校3年生の夏から本格的に始める、という人もいることでしょう。その時に勉強が苦手な人ほどやってしまいがちな勉強法がある、と難関大学の受験指導のプロである久保田幸平さんはいいます。そこで今回は著書『偏差値30台からの難関大学合格の手順』(青春出版社刊)から勉強が苦手な人ほど知っておくべき「やってはいけない勉強法」について抜粋して紹介します。

(1)なんでも書いて覚えようとする

「読んだり書いたりして、五感をフルに使って覚えなさい」と、言われたことはありませんか?私もかつてそのようなアドバイスをされたことがあります。

 ですが、あまりにも簡単なもの、たとえば「chance(機会)」という英単語を、何度も書く必要はあるのでしょうか?「チャンスを活かせ」などと使うように、ふだんから馴染みがありますし、「『機会』という表現もできるのか」くらいでよさそうです。

 一方、何度も書く意味がありそうな単語もあります。たとえば、「dictionary(辞書)」という単語を例に考えてみましょう。この単語は、カタカナだと「ディクショナリー」と表記できます。この単語のスペルと読み方は、習わず練習せずだとなかなか習得できません。最後から2番目の「r」を「l」と間違えそうですし、「tio」の部分を「ティオ」などと誤読してしまう人もいます。ですから、この単語ならば、読んで書いて「五感フル活用」を実践してみる価値はありそうですね。

 このように言われると、「書いて覚える必要があるものと、そうでないものを見分けるにはどうしたらいいんだ?」との疑問を持たれるでしょう。ごもっともです。その解決策を以下で説明します。

 まず、読み方(発音)は第一優先で絶対に把握するようにしてください。英単語、古文単語、漢字、歴史用語など、読み方がすぐにわからないものは多々あります。読み方がわからずに意味を覚えようと思っても覚えられません。声を出してもいい空間で、発音してみましょう。ただし、単なる推測の読み方で発音せず、必ず調べてくださいね。

メリハリをつけるのが大切

 次に、意味の部分です。この意味を覚える段階に入るとき、最初はその単語を書かなくてもいいです。前ページで「dictionary(辞書)」を書く価値ありと説明しましたが、人によっては、スペルも意味も眺めているだけで覚えてしまう人がいます。あなたがその一人かもしれません。

 書かないと覚えられないという人もいますが、ひとまず意味は眺めながら覚えるようにしてください。一つの単語を3回ずつ書いているあいだに、5つの単語を眺めることができます。この作業を何度か繰り返して、どうしても覚えられないなと思った単語だけ書いてみればいいのです。

 メリハリをつけるようにしましょう。書かないと覚えられないという思い込みから、「何度も書く」をすべての科目で実践している人を見かけることがあります。

「『いと』は『とても』」、「『いと』は『とても』」、「『いと』は『とても』」、「『をかし』は『趣がある』」、「『をかし』は『趣がある』」、「『をかし』は『趣がある』」……。

 おそらくムダです。眺めているだけでも単語は反復学習していけば意味はある程度覚えられますから、スピードと量のほうをより意識して、日をあけずに反復してください。

 クラスメイトの名前を、あなたはどうやって覚えたか、思い出してください。毎日会って、先生から朝出席をとられている姿を見ていくなかで覚えてしまいますよね。一方、もしも初対面で自己紹介をした間柄であっても、次に会うのが3カ月後であれば忘れてしまいます。

「眺める×スピード感×量×高頻度」を意識し、なかなか覚えられないものを書いて覚えてください。

(2)すべて自力で解こうとする

 解答解説は、自分で問題を解いて、答え合わせをする段階で初めて見るものであるとの感覚を持っている人、多いと思います。

 もちろん、夏休みの宿題をサボっていて、9月になって解答を丸写しして、あたかも自力で解いて丸つけをしたかのように赤ペンで誤答を偽装する……。このような行為はたしかによくありません。

 しかし、学校の課題で出されたから解かなければいけないが、自力で解いてもまったく歯がたたないとか、ずいぶん前に勉強した内容なので思いだせないけどとにかく問題に触れてみたいなどと思うときもあります。

 そんなとき、自力で解くということにこだわりすぎて、60分なり90分なり時間を計って解き、全然正解できなかった……となれば、自信を失い時間もムダにしてしまいます。

 特に多いのが、問題集や模試の過去問を学校で複数配布され、「やってこい」と言われた。仕方がないから、まだそんなにできないにもかかわらず、それを全部90分ずつかけて解いて、やはりできなかったというパターンです。

 問題文に直面して、ひたすらわからなさに打ちひしがれていた90分はどこにいってしまったのでしょう。ときにはそのように問題の難易度をリアルに体感することも大事ですが、模試5回分の過去問すべてでそれをやって意味があるとは思えません。解答解説が配布されている、またはそれを所持しているならば、はじめから解答解説を読んでみてください。

 解くときのアプローチがわかりますし、国語や英語であれば、覚えておくべき語句リストが載っている場合もあります。それらを見ながら、「ああ。こうやって解くのか……」と感覚をつかんでいけばいいのです。そして少し寝かせて問題文の内容を忘れた頃に、今度は自力で解いてみてください。