大学受験にとって重要な勉強期間ともいえる夏休み。高校2年生の夏から始める人や、部活をやっていて高校3年生の夏から本格的に始める、という人もいることでしょう。その時に勉強が苦手な人ほどやってしまいがちな勉強法がある、と難関大学の受験指導のプロである久保田幸平さんはいいます。そこで今回は著書『偏差値30台からの難関大学合格の手順』(青春出版社刊)から勉強が苦手な人ほど知っておくべき「やってはいけない勉強法」について抜粋して紹介します。
(1)なんでも書いて覚えようとする
「読んだり書いたりして、五感をフルに使って覚えなさい」と、言われたことはありませんか?私もかつてそのようなアドバイスをされたことがあります。
ですが、あまりにも簡単なもの、たとえば「chance(機会)」という英単語を、何度も書く必要はあるのでしょうか?「チャンスを活かせ」などと使うように、ふだんから馴染みがありますし、「『機会』という表現もできるのか」くらいでよさそうです。
一方、何度も書く意味がありそうな単語もあります。たとえば、「dictionary(辞書)」という単語を例に考えてみましょう。この単語は、カタカナだと「ディクショナリー」と表記できます。この単語のスペルと読み方は、習わず練習せずだとなかなか習得できません。最後から2番目の「r」を「l」と間違えそうですし、「tio」の部分を「ティオ」などと誤読してしまう人もいます。ですから、この単語ならば、読んで書いて「五感フル活用」を実践してみる価値はありそうですね。
このように言われると、「書いて覚える必要があるものと、そうでないものを見分けるにはどうしたらいいんだ?」との疑問を持たれるでしょう。ごもっともです。その解決策を以下で説明します。