トヨタ 史上最強#4Photo:recep-bg/gettyimages

業界内トップの待遇を社員に用意しているトヨタ自動車は、中部圏外の就活生からの人気も高い超一流企業だ。しかし、長らく豊田章男氏による一強支配が続いたため忖度文化がはびこり、社員の間では、息苦しさが生まれているようだ。特集『史上最強 トヨタ』の#4では、社員の本音からトヨタの実態をひもとく。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)

トヨタとアイシンの年収格差は
55歳で約700万円!

 トヨタ自動車は2023年3月期の売上高が37兆円、22年の販売台数は1000万台を超えて3年連続で世界一となるなど誰もが知る超一流企業だ。

 地元・愛知県内での影響力は絶大だ。トヨタが工場の稼働を一定に保つため独自に休日を設定した「トヨタカレンダー」に応じて、取引先や飲食店が営業日を決めるほどである。

 社員の待遇も“憧れの的”だ。平均年収は895万円に上る。同業他社よりも高水準のため、中部圏外の就活生からの人気も高い。

 次ページでは、トヨタと同業他社、トヨタグループ傘下の会社との年収格差を明らかにする。

 また、トヨタ社員から寄せられた約8000件の口コミ情報を基に、社内に蔓延する「閉塞感」の実態に迫る。最強集団の求心力が揺らいでいるのはなぜなのか。