サウジアラビアは石油で得た膨大な資金を背景に、世界のスポーツや電気自動車(EV)、ITスタートアップの分野で圧倒的な地位を築いてきた。次なる標的は今までで最も野心的かもしれない。それは人間の寿命を延ばすことだ。サウジの事実上の支配者であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子は、同国の「ヘボリューション財団」が進める老化の新たな治療法を開発する取り組みに、年間10億ドル(約1450億円)以上をつぎ込む考えだ。これが実現すれば、現在主に米国の国立老化研究所(NIA)が資金を提供している長寿生物学の研究にとって利用可能な資金源が劇的に拡大する可能性がある。今後投じられる資金が急増する見通しは、老化を研究する科学者の間に波紋を広げている。従来この分野はがん研究などに比べると予算規模が小さかったためだ。
サウジマネー、次はアンチエイジングに照準
ムハンマド皇太子の旗振りで米などの老化研究に資金提供
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