これは、あらゆる情報を加味していては面倒なので、代表的な事例だけを見て判断するという脳の特性がもたらしたものです。
この特性をPOPなどに活かすとしたら、「当店のスタッフ10名のうち、9名がイチオシのアップルパイです!」などと書いてみると効果的です。
ヒューリスティックを利用して
アイデアに説得力を加える
もう1つ別の例を紹介しましょう。
次のAとBでは、どちらが好印象でしょうか?
A:満足度90%。
B:10人に1人は不満足。
言っていることは同じですが、Aのほうが好印象と答える人は多いのです。
なぜかと言うと、Bは不満足が1人しかいないにもかかわらず、「不満足の人がいる」ということに引っ張られ、まるで不満足が多いように勘違いしてしまうのです。
またAは、「90%」という数字の印象に引っ張られて、物事を判断してしまう典型的な例です。第一印象に固執してしまうわけです。
人間は「自分の考えや直前に見聞きしたものに固執して勘違いすることが多い」のです。学歴や肩書が人の印象に大きな影響を与えるのも同じ理由です。
この特性を先ほどのPOPに活かすと、「全スタッフの90%が満足したアップルパイ!」という効果的な文章に変わります。
このように、ヒューリスティックを利用するだけで、あなたのアイデアに有無を言わせぬ説得力を加えることができます。
ぜひ、人間の特性を見つめ直し、あなたのアイデアをさらにブラッシュアップしてみてください。