売れるアイデアづくりには「よく目にするものほど買ってしまう」心理を利用する写真はイメージです Photo:PIXTA

経営コンサルタントの市原義文氏は、ローソン在籍時代にPontaカード、コンビニ業界初のセルフレジ、デジタルサイネージ広告、全社高速ネットワーク化など、斬新なアイデアを次々と実現。退職後もこれまでにない発想で様々な新企画を生み出し、数多くの事業再生を手掛けてきた。市原氏の初の著作『アイデアをお金に変える「マネタイズ」ノート』からの一部抜粋により、アイデアをお金に変えるための発想法を初公開する。

「ヒューリスティック」を
アイデアづくりの参考に

 アイデアをつくるうえで、「つねに自分に言い聞かせている」ことがあります。

 それは、「アイデアを必要としているのは人間である」ということです。

「当たり前ではないか」と思われたでしょうか?

 私たち人間には、無意識に行動してしまうことが本当にたくさんあります。みなさんも例外ではありません。その「無意識に行動してしまう」という人間の特性に注目するのです。

 アイデアの対象が人間である以上、人間に備わった特性を理解することは欠かせません。それによって、アイデアに深みを増すことができるのです。

 その意味で私が参考にしているのが「行動経済学」です。

 行動経済学の理論の中で、アイデアづくりの参考になるのは、「ヒューリスティック」です。ヒューリスティックとは、「過去の経験や先入観をもとに直観的に意思決定をすること」をいいます。自分になじみのあることは、よく起こると思ってしまうのです。