
近年の超円安傾向は、多方面に影響を及ぼしている。訪日外国人客の増加と観光地の混雑が注目されるなか、海外投資家も熱視線を送っているという。市場を賑わす新たなマネーの波は果たしてチャンスなのか、それともリスクとなるのか。個人投資家の天海氏が次なる相場の行方を読み解く――。※本稿は、天海源一郎『株と金の大投資術』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
昨年の訪日外国人客数は過去最高
2025年はさらに増える見込み
訪日外国人客の消費=インバウンド消費が日本経済に大きく貢献していることはすでにご存じだと思います。
都市部にお住まいの方なら、過去には見られなかったくらい多くの外国人観光客が繁華街に押し寄せる姿を目にしていることでしょう。その規模は驚くべきものです。たとえば、都市部の飲食店に入ったところ、自分以外の客がすべて外国人だったという経験をしたことがあります。さまざまなグッズやアイテムにあふれているドン・キホーテでは物珍しそうに商品を選び、有名デパートの化粧品売り場や高級ブランド店のレジには長蛇の列、新幹線車内で、あっという間に過ぎ去る景色をスマホで撮影したりする外国人の姿が多く見られます。
有名観光地でも同様のことが起きています。ホテルや有名旅館の宿泊料金は、おいそれとは泊まれないほど高騰しているのです。外国人観光客の財布を狙って、東京の豊洲市場にオープンした、とある飲食店の1万5000円の海鮮丼が話題になりました。日本人ならまず頼まないようなメニューですが、外国人観光客からすれば、それも思い出の一つになるのでしょう。