パチンコ、麻雀、女、酒、タバコを欠かさず、ほぼニート状態の父親。それに母親が共依存するという複雑な家庭環境に育った。14歳のとき、父親が自己破産して失踪。貧しい生活を支えた母親は病に倒れ、半身不随に。苦境のなか、独学で大学に合格、奨学金を得た。そして、兄・成田悠輔がくれた本をきっかけに「起業」を志した。話題の書『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)の著者・成田修造は、体当たりで起業家の道を歩むようになる。本書は起業を通じた人生の指南書で、何歳からでも起業・独立・副業でビジネスを展開するときに必須の内容。これからは会社員であっても、自分で事業をつくれると強い。その思考法とノウハウを全公開する。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
リベラルアーツやクラシック音楽
父親の意外な一面
実家には、父が買った数千冊もの本がありました。
マルクスやカント、小林秀雄、寺田寅彦など、いわゆるリベラルアーツと呼ばれる分野の専門書が多く、クラシック音楽のCD も数え切れないほどありました。
おそらく父は、高尚なものに対する憧れを抱いていたのだと思います。
社会不適合者の父
僕は子どもの頃、父と接する機会がそれなりにあり、キャッチボールをした記憶も残っているのですが、会話をした記憶はほとんどありません。
ただ、僕は父のことを「周りの大人とは違う人」「世の中を斜めから見る人」という印象を抱いていました。
――知的な社会不適合者 父をひと言で言い表すなら、そんなフレーズが頭に浮かびます。
破滅的な生き方の理由
これは僕の想像にすぎませんが、父が破滅的な生き方をしたのは、彼なりの理想があったからなのかもしれません。
だけど、社会を変えるだけの力はなく、かといって今の社会に迎合することもできない。
そんなジレンマを解消しきれず、ある意味で自己破壊に陥り、母と僕ら兄弟は巻き込まれてしまったのでしょう。
※本稿は、『14歳のときに教えてほしかった 起業家という冒険』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。