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新型コロナウイルス禍がかなりの落ち着きを見せ、社会は少しずつ元通りになりつつある。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった問題はいまだに解消されていない。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はJR東海、JR東日本、JR西日本の「鉄道(JR)」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

JR3社は前年同期比で増収
コロナ禍からの回復はいかに

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の鉄道(JR)業界3社。対象期間は2023年2~6月期の四半期(3社の対象期間はいずれも23年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・JR東海
 増収率:27.7%(四半期の売上高3951億円)
・JR東日本
 増収率:12.9%(四半期の売上高6295億円)
・JR西日本
 増収率:24.3%(四半期の売上高3693億円)

 鉄道業界はコロナ禍の打撃を大きく受けたが、JR3社はいずれも2桁増収でコロナ禍から復活したかのように見える。しかし、コロナ前と比較すると各社いずれも利益面はいまだ厳しい。

 次ページでは各社の増収率の推移を紹介するとともに、コロナ前の業績と比較しながら解説する。