「コンビニ飯は不健康」とか悩む人が、さっさとやるべき“たった1つのこと”かつては115キロあった著者の朽木誠一郎さん=2014年12月(提供)

バランスのいい食事を目指しても、自炊する余裕なんてない……。医療記者の朽木誠一郎氏は「そんなときはコンビニでいいのです」と断言します。実際にコンビニで商品を選ぶコツについて、朽木氏の著書『健康診断で「運動してますか?」と言われたら最初に読む本 1日3秒から始める、挫折しない20日間プログラム』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集してお送りします。

“健康クライシス”のときの
「バランスのいい食事」のとり方

 世間的に「働き盛り」とされる30~40代は、実は環境の変化が訪れやすい世代でもあります。上手く適応できないと、肥満や、生活習慣病と呼ばれる他の病気の影が忍び寄ってくる。ちょうどそんな時期なのです。

 中間管理職、子育て……せっかく一度は不健康のどん底から這い上がったというのに、言うなれば“健康クライシス”の到来です。このようなときに時間や気力、さらに健康を維持するのは難しいという、より本質的な問題を突きつけられた気分になるものです。

 そんな“健康クライシス”のときには、どんな食事をすればいいのでしょうか。

 最初に断言しておきます。時間や気力がないときに、イチから健康にいいメニューを自炊するなんてことは不可能です。最初はできるかもしれませんが、こだわり続けることで、わかりやすいところでは睡眠時間が削られるなど、かえって不健康になってしまうので、おすすめできません。

 余裕がないときは、コンビニでいいのです。むしろコンビニの方がいいのです。

 コンビニがいい理由は後述しますが、その前に1つだけ、やるべきことがあります。それは「アプリをダウンロードする」こと。どういうことか、順を追って説明します。

「PFCバランス」という言葉があります。ダイエット用語として、知っている人もいるかもしれません。「P」は「Protein」、たんぱく質のことで、「F」は「Fat」で脂質、「C」は「Carbohydrate」で炭水化物。これらは三大栄養素と呼ばれます。「PFCバランス」とは、食事の中で三大栄養素をそれぞれどれくらい摂取しているか、ということになります。

 では、どれくらいが「ちょうどいい」のかというと、厚労省の『日本人の食事摂取基準(2020年版)』では、そのバランスを「たんぱく質=(1日の摂取カロリーの)13~20%」「脂質=20~30%」「炭水化物=50~65%」と示しています。

 ここで、1日の摂取カロリーは、目標体重にとっての必要カロリーで計算するようにしてください。簡単なことで、もしあなたが今、太っているとして、太っているときの体重の必要カロリーを摂取していたら、永遠にやせることはないからです。

 この目標体重の必要カロリーを計算するためには、まず「身長(メートル)×身長(メートル)×22」の式で、目標体重を計算し、これから必要カロリーを計算し、それをたんぱく質1グラム=4キロカロリー、脂質1グラム=9キロカロリー、炭水化物1グラム=4キロカロリーで割るのですが……正直、もうこの時点でうんざりですよね。こういうことをする余裕がないから“健康クライシス”なのです。

 幸い、今は便利な食事管理アプリがある時代です。「カロママ」「あすけん」「FinC」に代表される食事管理アプリは、ユーザーが自ら食事内容を記録するだけでなく、目標の体重に対してどのようなPFCバランスが望ましいかを自動的に計算してくれます。それだけでなく、実際の食事内容をアップロードすれば、AIにより「脂質が多すぎます」「食物繊維が少なすぎます」などを即座にアドバイスしてくれるのです。面倒な計算はせず、さっさとこのようなアプリをダウンロードしましょう。